Flowing Form
タンクからフェンダーへ続く、途切れのない流線。
二つの系譜、ひとつの鼓動。
同じ1,854cc空冷OHV・Vツインを心臓に持ちながら、
それぞれ異なる個性を与えられた二つのXV1900。流麗でクラシカルな佇まいのROADLINER。
大胆な造形と走りを追求したRAIDER。ヤマハが北米市場へ送り出した、
二つの個性を紐解く。
スターモーターサイクルズ
北米のクルーザー市場に向けて、ヤマハが展開したStarブランド。「Emotional」「Advanced」「Performance」を掲げ、独自のクルーザー文化を築いていった。その頂点を担うモデルとして、2006年にROADLINERが誕生した。
タンクからフェンダーへ続く、途切れのない流線。
機能部品でありながら、宝飾品のように仕立てられた細部。
光の角度によって表情を変える、空冷エンジンのフィン。
静止していても前進感を生み出す、低く伸びやかなシルエット。
北米クルーザー市場で、性能や信頼性だけでなく、より高い芸術性と情緒的な魅力を求める声が強まっていた時代。ヤマハは、それまで培ってきたクルーザー開発の技術を結集し、既存の概念にとらわれない新たな頂点を目指した。その答えが、まったく新しいエンジンと車体、独自の造形思想を与えられたROADLINERだった。
流麗さの内側に、圧倒的な鼓動を。
1930〜40年代の流線型デザインを、現代のクルーザーとして再構築する。滑らかな速度感と力強い前進感。宝飾品を思わせる精緻なディテール。そして、その優美な姿の内側に宿る1,854ccの鼓動。ROADLINERは2006年、Starシリーズの新たなフラッグシップとして誕生した。
滑らかな速度感と、力強い前進感。
ROADLINERの造形を貫くのは、1930〜40年代に隆盛したストリームライン・デザインを現代的に解釈した「Neo Streamline」。ティアドロップ型の燃料タンクからリアフェンダーまで、車体を構成する線は途切れることなく流れ、静止した姿にも前へ進もうとする力を感じさせる。
ROADLINERのために新設計された、1,854cc空冷4ストロークOHV・48度Vツイン。低回転域から立ち上がる力強いトルクと、大排気量Vツイン特有の深いパルス感を生み出す。大胆な存在感の内側には、ヤマハの緻密な技術が収められている。
離陸の瞬間を思わせる、鋭い前進感。
黒と金属のコントラストが生む、彫刻的な造形。
ライダーと車体を、ひとつの力強い姿へ。
大胆なカスタムスタイルと、自然な操縦安定性。
開発の起点となったのは、米国・デイトナで行われる巨大なモーターサイクルイベント、Bike Weekで目にしたカスタムシーンだった。個人の手によって作り上げられた、長いフォークと太いリアタイヤを持つ独創的なマシン。その自由な造形を量産車の品質と信頼性へ落とし込み、見た目だけでなく、走ること自体を楽しめる車両にする。ROADLINERをベースに始まったその挑戦から、RAIDERという新しいXV1900が生まれた。
量産車の枠を越えた、走るカスタム。
ROADLINERが築いた1,854ccのプラットフォームを、より大胆に、より先鋭的に再構築する。長く伸びたフロントフォーク。地面を蹴り出すように構えたリア。光と影によって際立つ、立体的な造形。カスタムバイクの存在感と、ヤマハが求める操縦安定性をひとつにするために、RAIDERは2008年モデルとして誕生した。
フロントを持ち上げ、リアを沈めながら、滑走路から飛び立とうとする航空機。RAIDERのシルエットには、その離陸の瞬間を思わせる前進感が与えられた。長いフロントまわりと低く構えたリアが、静止した車体に鋭い動きを生み出している。
RAIDERが受け継いだのは、ROADLINERと基本設計を共有する1,854cc空冷OHV・Vツイン。大排気量ならではの力強いトルクとパルス感はそのままに、吸気・排気系と車体構成をRAIDERのキャラクターへ最適化。車体の鋭いシルエットを強調している。
その出会いが、新たな軌跡になる。
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